20代はキャリアの基盤を築く大切な時期です。
はじめて働くのに、働くことを経験する前にキャリアを選ばなくてはならず、自分のキャリア選択が正しかったのか悩み、「今の仕事を続けるべきか?」「このままでいいのか?」と悩むことが多いのではないでしょうか。

本記事では、20代女性がキャリアに悩んだ時に、考えるべきポイントを説明します
なぜ20代はこのままのキャリアで良いかと悩むのか


20代がなぜこのまま同じことをしてキャリアを築いても良いのか、道を選び間違えてないかと悩むのか。
その理由について6つあげてみました。
1.仕事に漠然とした不安を感じる
仕事を2年3年と継続していると、いままで出来なかったことが出来るようになります。そうすると、自分がやっていることが単調な仕事と感じるようになり、成長実感が湧かなくなってしまうので、このまま単調な仕事をしていて良いのかと不安になります。
他のケースでは、会社の業績が悪くなった時。会社の将来に不安を感じるだけでなく、業績不振が続く会社には負け癖がついた社員が多数いることが多く、覇気が無い雰囲気の中に居続けることで、自分もそのような考えになってしまわないかと不安になることもあるでしょう。
2.仕事が合わないと感じる
実際社会人になってみると、想像していたようには仕事に楽しいという気持ちが湧かず、この仕事が自分に向いてないから楽しく感じないのではないかと考えるようになってしまう。
一方で楽しそうに仕事をしている同期を見て、いまの仕事は適性が無いのではとさらに確信してしまう。
3.キャリアアップの方向性がわからなくなる
いまのままでは専門的な知識が身に付かず、キャリアアップの道が閉ざされてしまうのではないか、転職してもっと違う経験を積んだ方が良いのではないかと不安になるものの、具体的に何をすれば良いかの答えは見出せていない状態。
4.将来のライフイベントへの悩み
先輩たちの働き方を見て、将来自分も結婚や育児をするにあたり、この会社では仕事と育児を両立して働く環境ではないと感じる。
または、20代の内にプライベートでやりたいことも大切にしたいのに、残業が多く帰りにくい環境なため、プライベートが犠牲になっており、やりたいこととのギャップが発生している。
5.周囲の変化
学生時代の友達の方が年収が上回っている、会社の同期が主任や係長に昇格し役職がつきはじめた、など、周りと比較すると自分は出遅れているという焦りを感じている。
SNSなどで成功している同世代を見ると、自分は何をやっているのだろうという情けないような気持ちを持ってしまう。
6.職場環境や待遇の悩み
職場の人間関係がうまくいかず、毎日会社に行くことに苦痛に感じている。
または、次のような不満を感じている。
・上司の叱責などの指導方法、評価方針に納得がいかない
・事務所が狭い、異動によって通勤時間が長くなった等労働環境が悪いと感じている
・福利厚生制度が充実しておらず、社員のことを考えていないように感じる



会社に不満があれば転職するしかないニャ



本当に転職するしかないのか
考えていきましょう
転職することで解決できるかを考える


環境の改善やキャリアの不安を解消するには転職は最も有効な手段です。
ただし、転職が必ず解消してくれるわけではありません。
一旦、次のことを整理してみましょう。
なぜ転職したいのか?「転職理由」を整理する



まずは、どうして転職を考えはじめたのか、そのきっかけを明確にしていきましょう
待遇的な不満や不安がきっかけだったのか
【きっかけの一例】
・給与が低い
・昇給が望めない
・あいまいな評価制度、または納得できない評価制度
・福利厚生制度が充実していない
労働環境への不満がきっかけだったのか
【きっかけの一例】
・残業が多い
・仕事が終わってもすぐ帰れる環境ではない
・育児と仕事を両立できる環境がない
・会社の業績低迷で雰囲気が悪い
・事務所の環境が劣悪
・通勤時間がかかりすぎている
・リモートワークなどの柔軟な働き方ができない
人間関係による悩みがきっかけだったのか
【きっかけの一例】
・会社全体の人間関係が悪い
・上司と合わない
・信頼して相談できる人がいない
・仲の良い人がおらず孤独を感じる
価値観に関する違いや居心地の悪さがきっかけだったのか
【きっかけの一例】
・会社理念に共感できない
・納得できない慣習に縛られている
・仕事がつまらない
・成長を感じられない
・やりたい仕事が他に出てきた



次のステップでは、解決方法があるのかを考えていきます
どうすれば解決出来そうかを考えてみる
次に解決方法を考えてみます。
自分の行動で変えることが出来そうなことと、変えられないことを分けながら考えてみましょう。
自分の行動で変えることが難しいこと
会社の制度 | ・福利厚生制度の充実 ・給与制度 ・リモートワーク・フレックス等の柔軟な就業制度 |
価値観に関すること | ・会社の風土・理念 |
労働環境等 | ・事務所の立地条件 ・通勤時間 ・継続する会社の業績低迷 |



会社の慣習や制度はなかなか変わらないし、行動で早々は変わらないニャ
自分の行動を変えることで改善する可能性があること



ここでは今の職場に相談することで変わる可能性があることをあげています



チャレンジの末、変化が無い可能性もあります
その場合については次の項目で考えていきます
労働環境等 | 残業が多い | 業務効率化により解消が可能か |
給与が低い | 副業をすることで解消が可能か | |
人間関係等 | 上司が合わない | 部署異動の相談が可能か |
人間関係が悪い | 上司や先輩に相談することで解決可能か | |
価値観に関すること | 成長を感じられない | 自分でスキルアップの勉強をすることで解消するか |
仕事がつまらない | 別の業務を担当したいと申し出することが出来るか |



次にいよいよ転職を検討しようと思う前に
転職後の想定を考えてみます
転職のリスクを知っておく
会社の制度やルール、立地条件などは転職が課題解消の早道です。
でも、それ以外の課題は転職で解消するかと言えば残念ながらそうではありません。
いまあなたが働いている環境が入社しないとわからなかったように、転職先の環境も入社してみないとわからない部分であるからです。
ここでは、転職した時のリスクを整理していきます。
その後、そのリスクを許容できるか、事前に調査することでリスクを回避することが出来るかを考えてみましょう。
転職によるリスク



給与などの待遇や福利厚生制度は事前にわかりやすいけど、人間関係とか細かい慣習は入ってみないとわからないニャ
以下のような内容は、事前の企業研究や面接での質問ですべて解決出来ず、入社してみないとわからないケースがあります。
慣習・ルール | ・仕事が終わっても帰れない等の暗黙ルールなどは事前に見えにくい ・規程遵守の意識が低い環境だと事前確認しても実態と違う可能性がある |
価値観 | ・会社の価値観を確認しても、直属上司は別の価値観があるかもしれない |
人間関係 | ・面接での質問だけでは実際の職場の人間関係まではわからない |
転職の軸を考えて【転職の成功】を目指す


ここまで、転職を意識しはじめるきっかけとその原因などを考えてきました。
転職がすべての問題を解消するわけではありませんが、大きな変化につなげ、悩みや不満を解消することは十分に可能です。



転職を成功するために、ここでは、あらためて転職の軸を整理し、納得のいく転職に向けて考えていきます
転職で重視することチェックリスト
転職で重視すること・優先したいことを整理します。
次の項目にチェックしてみてください。
【転職で充実したいことリスト】
No | 転職で重視すること | 具体的な内容 |
---|---|---|
1 | 年収がアップすること | 最低限〇円アップ以上 |
2 | 成長できる環境があること | 自分が考える成長できる環境とは? |
3 | 残業が少ないこと | 最高〇時間以下 |
4 | 休暇が取りやすいこと | 有給休暇取得率、夏季休暇他休暇制度 |
5 | 福利厚生制度が充実していること | 住宅補助制度 ・ 退職給付制度など |
6 | 会社に将来性があること | 判断軸は?(上場企業/成長性/業績/規模) |
7 | やりたい仕事が実現ができること | 未経験の仕事? 裁量範囲が広い仕事? |
8 | 柔軟な働き方が実現ができること | リモートワーク ・ フレックス制度等 |
9 | 人間関係が良好であること | 判断軸は?(年齢層/組織体制/面接の雰囲気) |
10 | 就業条件が働きやすいこと | 判断軸は?(通勤時間〇分以内/事務所配置/休憩室の有無等) |
チェックがついた項目に対して、具体的な内容も考えてみます。
もし、具体的な内容が思いつかない場合、まだ転職で実現したいことが明確になっていない可能性があります。



明確にしないと、転職後に「こんなハズじゃなかった」となってしまうかもしれませんので、再度考えてみましょう
転職市場での「自分の価値」を把握する
転職先への希望が整理できても、世の中の水準と乖離があると希望通りの転職を叶えるのは難しくなってしまいます。
たとえば、給与水準は会社によって大きく差があるので、このぐらいもらえて当然と思っていても、現在籍の会社や業界の給与水準が高かっただけで、大きく下がる可能性もあります。
また、会社の中では比較的優秀で評価が高かったとしても、市場から見たら想像していたほど評価されない可能性もあります。
そのため、自身の経験が市場からどのように判断されるのかを知りましょう。
市場価値を知る方法
・転職経験のある知人に聞いてみる
・転職サイトで同じ職種の求人をチェックしてみる
・転職エージェントに相談してみる
結局は転職エージェントに相談するのが近道です
方法はいくつかありますが、相談相手の知っている情報に限りがあると実際とは違うアドバイスを受ける可能性があります。
新しい多くの情報をストックしている転職エージェントに相談するのが一番手軽で確実な情報を入手することができます。
転職エージェントに相談するメリット
・働きながら情報入手ができる
・同じような転職の紹介をしているので具体的な情報を得ることができる
・ネットには掲載されていないような会社の内部情報を確認することができる
・具体的に転職を考えていなくても相談の対応をしてくれる
・経験が足りなく思うような希望が叶えられなくても、別の提案を期待できる
「転職するか迷う」場合の判断基準
転職は大きな人生の決断になるため、いくら慎重に準備を進めても、何度も「これで良いのかな」と不安になると思います。
その時は次に記載しているように、少し先の自分を想像してみてください。
3年後・5年後の自分を想像してみる
・いまの延長上で成長している自分を想像できるか
・会社の将来性を想像することができるか
・いまの労働環境を継続して受け入れられることができるか
・3年後、5年後の自分も、結局転職しようか等同じような悩みを抱えていそうか
・3年後、5年後の自分は、新しいことにチャレンジして成功しているか
いまはまだ転職は思いとどまるべきか
転職を考えると不安が上回ってしまいますか?
その場合は、転職するか否かの前の整理がついていないかもしれません。
次の項目に思い当たる場合であれば、一度立ち止まって考えて見るのも良いでしょう。
・転職を考えると、言語化できないが漠然とした不安がぬぐえない
・不満はあるものの、転職するのは面倒だ
・衝動的に会社を辞めたいと思ったものの、自分はまだ冷静になっていない
・転職して解消したい問題に優先順位がつけられていない
自分の考えを整理すること自体がとても難しい作業になります。
次の記事も参考になると思いますので、ぜひご参考にしてください。
頭の中を整理したい人へ
新しいことに踏み出すことに不安になる人へ
事例を見ながら、いまの自分を振り返ってみよう


20代女性の転職は、転職先に期待する優先順位を明確にすることが成功のカギです。
ただし、転職に成功したからといって、その後のキャリア形成に成功したわけではありません。
転職活動をしていくとたくさんの情報が目に入り、近視眼になりがちで本来大切にしていたことを忘れてしまうこともあります。
ここでは、転職でありがちな失敗事例を紹介しました。
内容を確認することで、自分の考えが整理しきれしなかった事があるかを振り返ってみてください。
転職はゴールではなく、新しいキャリアのスタートです。ぜひ転職前には慎重に、そして転職を決めたら積極的に活動を進めていきましょう。
気づけば辞めることが目的になってしまい、同じことを繰り返している
事例 | いまの会社が嫌で転職活動をしたが、転職先でも同じような悩みを抱えてしまった |
原因 | ・転職理由が曖昧なまま、何を解決したいのかを整理できていなかったため、 求人の待遇などで優先的に決めてしまっていた ・転職すればいまの問題が解消すると簡単に考え、早く転職することが 目的となってしまった |
今後の解決策 | ・あらためて何が嫌だったのかを整理する ・いまの職場(転職後の職場)で解決する方法がないかを考える ・解決する方法があればまずは実践してみる ・どうしても難しい時は再転職も視野に入れる |



転職の繰り返しはその後のキャリアを難しくするきっかけがあるので、再転職は慎重に考えたいですね
労働環境の改善のつもりが、さらに悪い環境になってしまった
事例 | 残業過多の状況を抜け出したくて転職したが、もっとひどい環境に転職してしまった |
原因 | ・早く辞めたくて、内定が出た会社に飛びついてしまった (実は退職者が多い会社で内定ハードルが低い会社だったことが後で判明) ・転職の優先順位を整理していなかったため、面接での質問も準備していなかった |
本来やるべきだったこと | ・何を改善したいのかを整理して、確認すべき項目を用意する ・エージェントへの質問や求人票で事前に情報収集する ・転職口コミサイトでも情報収集しておく ・面接での質問内容を用意し、確認する |
キャリアを考えずに転職を繰り返していたら、30代に入り転職活動が厳しくなってきた
事例 | 職場環境の改善を求めて転職を繰り返したが、30代に入り書類選考で落ちてしまい面接までつながらない |
原因 | ・目先の条件で転職してきたが、同じような業務の経験しかなく、スキル不足と判断されてしまっている ・職務経歴書で働き方への姿勢が見えず、「すぐ転職する人」と判断されてしまう |
キャリアの方向性を考える | ・3年後・5年後の自分がどうなっていたいかを考えて転職先を選ぶ ・キャリアの一貫性を意識する、キャリアチェンジする場合は、なぜキャリアチェンジをするのかを事前に整理しておく ・転職の軸を事前に整理する |
年収アップを最優先に転職したが、求められる業務についていけない
事例 | 年収アップが出来るからと転職したが、ノルマや求められることが高くついていけず再転職を希望している |
原因 | ・給与条件だけで判断してしまい、仕事内容について深く確認できていなかった ・自分の市場価値や働き方の志向性を考えず、適性に合わない仕事を選んでしまった |
本来やるべきだったこと | ・業務内容を具体的に確認し、自分に合うか判断する ・年収が高いことの理由やどのような人物が欲しいのか等を転職エージェントに確認し、企業研究をおこなう ・その企業が求める人物像と自分の現状スキルとのギャップがあるか事前に確認し、教育を含めて期待されているかを面接等の中で確認する |
人間関係の悩みがあり確認して転職したつもりがまた同じ問題に直面する
事例 | 上司と合わず転職したものの、また同じような状況になってしまった |
原因 | ・転職すれば解決すると思ってしまった ・上司と合わなかった原因を深掘りせず、自分にも変えるべきところはあったのかもしれないとは考えなかった |
本来やるべきだったこと | ・どんな人間関係が自分のコミュニケーションスタイルに合っているのかを事前に考える ・確認するためには面接でどんな質問をする必要があるのかを事前に用意していなかった |
自分の理想とする会社に巡り合えない
事例 | やりがいを求めて転職を繰り返すが、やりがいのある仕事に巡り合えない |
原因 | ・自分の理想の職場とは何かがあいまいになっている ・理想イメージが高すぎて現実性に欠けている |
本来やるべきだったこと | ・自分に取って理想の職場とは何かを具体的にしてみる ・転職エージェント等を通して企業研究などをおこない、理想通りの会社があるのか、現実との乖離を認識する |
20代の転職で後悔しないためのポイント


最後にまとめとして、20代女性が転職で後悔しないためのポイントを整理します。
なぜ転職したいのか、その理由を明確にする
明確になった理由はどうすれば解決できるのかを考える
転職によるリスクは何かを事前に確認し、リスクを許容できるのかを考える
転職で重視することを整理する
転職市場での「自分の価値」を把握する
この記事を書いた人



転職を焦る必要はありません
ひとつひとつ考えを整理して転職の成功につなげていきましょう
☑ 子育て中に契約社員→正社員に転職したシングルマザー
☑ その後、平社員から取締役へ
☑ 総務・経理・人事など管理部門に強み
☑ 1,000人以上の管理部門採用の面接をおこなう
☑ 国家資格キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
さらに詳しい内容はコチラ → what’s SHIRO-MIKE