上司が現場の仕事がわかっていない、起きている課題を知ろうとしない。
現場の実情を理解していないため、的外れな指示や無理な要求に振り回されたり。
そんな部署でウンザリしながら働いている人はいませんか?

まさにストレスを生む職場
社員のモチベーションも下がる一方ニャ
そのような状況は、現場を無視したトップダウン型の指示や、本質的な業務改善を伴わない表面的な取り組みなどの会社の課題が見え隠れしています。
今回は、そんな上司の元で仕事をしなくてはならない場合の対処法や、上司は本来どう行動すべきなのかなど、部下目線・上司目線両方の説明をします。



現場を知らない上司とのうまい付き合い方や、ストレスを減らしつつ仕事を進めるコツを解説します
なぜ「現場を理解しない上司」が生まれるのか?
現場を理解しない上司が発生する理由は会社の構造的な理由もありますが、一方で上司自身が抱えている問題もあります。まずは、上司自身の問題で発生する理由を紹介します。
上司が現場を理解していない理由
上司が現場を理解しない理由を2つのパターンわけます。
パターン1
• 現場経験も昔のこと、管理職になって現場感覚を失っている
• 専門外の部署に配属されたため、現場業務の内容や優先順位などがわかっていない



単純に現場業務が理解できていないパターンです
理解が無いので勘所が掴めず、的外れな指示を出すことがあります



でも、現場を軽視していない上司であれば、上司自らの変化も期待できます
パターン2
• 経営視点で考えるにあたり、現場の実情を考慮せず軽視している
• 管理職は現場を知らなくてもよい、と思い込んでいる



現場業務軽視パターンです
管理職は視座高くあるべきですが、現場課題に無頓着なところもありバランス感覚がよくありません



具体的な現場課題に着手せず、全体像把握に留まり根本的な問題解決が遅れることもあるパターンです



いずれにしても現場は大変ニャ



現場無視の上司がいる部署で何が起きるか事例とともに見ていきましょう
現場軽視の上司の元で起きる問題
問題事例1. 表面的な理解に基づく指示になりがち
本来は根本的な原因にアプローチしなければならないのに、起きている事象に対する指示になってしまう
ケース | 表面的な判断・指示の例 |
---|---|
残業過多の現場に対して | やる気がない、仕事能力が低いという個人の課題として片づけてしまう |
業務の締切が間に合わない状況に対して | 努力・気合・意識不足と結果づけてしまう |
計画策定するにあたり | 現場の認識との乖離がある計画がおりてくる |
このような現場を理解せず、メンバーに寄り添わない上司の元ではモチベーションも低下してしまい、士気が下がればさらに結果が悪くなるという負のスパイラルが発生してしまう恐れがあります。
問題事例2. 業務改善への取り組み不足
表面的な理解で動くと、根本的な課題がいつまでも解決せず、メンバーの負担ばかりが重くなる結果につながってしまいます。
ケース | 業務改善が取り組まれないことで発生すること |
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残業過多の現場に対して | 残業時間削減だけが先行してしまい、業務の質が低下したり、ミスする数が増加してしまう |
業務の締切が間に合わない状況に対して | 業務フローの見直し、適切なリソース配分の見直しがされず、メンバーが業務量を抱え込み、疲弊してしまう |
計画策定するにあたり | 現場無視の計画にメンバーの士気が低下し、最終的には顧客満足度の低下やサービス品質の低下を招く |
現場理解がなければ業務改善に取り組む機会を失います。また、業務改善に着手したとしても、実情との乖離があり、ますますメンバーの心が離れていく事態となります。
問題事例3. 現場の声を無視する文化
ケース | 現場の声を聴かない会社の例 |
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残業過多の現場に対して | 〇時間削減すること、と経営層から削減目標だけを提示する |
業務の締切が間に合わない状況に対して | スローガン的な内容とともに意識改革によって改善するようにうながされる |
計画策定するにあたり | 実行可能性が低い目標を掲げてしまう |
現場の声を聞かず、経営陣が一方的に指示を出すような文化においては、現場課題を正確に把握できず、的外れな施策が実行される可能性があります。
その状態が継続されれぱ、社員の中に経営層への不信感が生まれてしまうこともあります。



会社や上司の問題だからどうにもできないニャ



たしかに。。
なので、まずは反面教師として、上司とうまく付き合うことで自分自身のスキルアップに活かすという面で考えてみましょうか
「現場を理解しない上司」とうまく付き合う方法はあるのか?
上司の視点を理解する
上司になんとかしてもらいたいものの、上司には上司の立場があり重荷を背負っているというウラ事情もあるので、その背景を押さえておきましょう。
上司は別のミッションを抱えている
基本的には役職者は会社の意向や経営方針に基づいて動いている
部下がら見えている業務は部分的であり、経営層と役職者が取り組んでいる課題があります。
数字や成果を重視し、全体最適を優先している
会社の業績を達成する責任があるため、中長期的に部署全体が適正に運営できることを優先しているため、部分最適を後回しにしている可能性があります。
「大きな部署運営の方向性」を決める立場にある
現場の詳細を知らずとも、部署の役割・責任については理解しているはずです。そのため、部署の責務全うのための計画は立てているものの、現場の悩みまでは拾えていないという場合はあります。
マネジメント業務は結構時間がかかる
上司はメンバーの管理をする必要があります。評価設定やフィードバック、会社の意思伝達業務もあります。そのため、マネジメント業務に相当に時間がかかり、現場の詳細理解まで手が回っていない可能性もあります。



大変だとはいえ、理由にはならないニャ



その通りです、上司自身のミッションと現場対応は別物です
では次に、自身の課題で現場が見えていない上司とどう関わるとうまくいくかを考えてみましょう



少なくても日ごろのストレスは軽減したいですね
上司に「現場の課題」を知ってもらい、うまく付き合う
自分自身の課題でいっぱいいっぱいだったり、現場軽視だったり、現場業務の理解不足だったり。そんな上司とうまく付き合い、どうやって現場課題に気づいてもらえるのかを考えてみます。
もしうまくいけば、その冷静な思考と判断が、あなたの今後の昇進などのキャリアアップ後の部下の気持ちに気づいたり、行動することに必ず役立つことでしょう。
上司に気づきを促す働きかけ5選
協力して欲しいと訴える
現場が困っているということを、ストレートに上司に伝えます。
困っている状況を伝えるにはある程度の感情も示すことが効果的ではありますが、「上司は何も分かってくれない!」という感情を爆発させてしまうと関係が悪化したり、かえって仕事がやりにくくなりますので注意してください。
上司を巻き込む
現場課題を一緒に解決してもらう働きかけです。現場課題を話し合う場を設け、その中で「どうすれば解決できると思われますか。」など投げかけて、当事者として巻き込んでしまう作戦です。
客観的に状況を話す
現場課題を説明するにあたり、数字やデータを使って説明することで課題認識をしてもらう。経営視点で全体最適をしていこうという意識が高い上司であれば、状況を理解して課題解決に着手してくれる可能性が高いと思います。
また、定期的に報告することで、継続的な分析・改善が習慣化されるかもしれません。
論理的に対応する
無理な要求や的外れな指示をされた場合、黙って指示に従ったり、「無理です」と回答するのではなく、「〇〇に対してはこちらのほうが効果的です、なぜならば・・」など、自身の意見を交えて、指示を実行する前に議論をする。
上司が喜ぶ対応をする
上司部下も人間関係なので、仕事の中で上司を喜ばせるのも有効です。
「他部署から〇〇のような要望も上がっているので、このほうがメリットがあるはずです」など、上司も気づいていなかった内容、そして実践することで上司にも良いことがあるという話があれば、もっと現場の状況を知りたいという気持ちになってくれるかもしれません。



うまくできるまでは大変かと思いますが
少しずつ現場理解が進めば、無理な指示も少なくなっていきそうです
上司をうまく活用するようにする
上記では、上司に寄り添う方法を説明しましたが、役職者という上司の権限をうまく利用していくという発想でうまく付き合う方法を考えてみましょう。
徹底的に頼る
頼りないところがあったり、理解の無い対応をすることもあるかもしれませんが、何かしらの経験や知識があって役職者になっているはずです。
何か調査せねばならないことや、資料作成などで、お任せできそうな分野があれば、頼ってしまうのも一手です。
権限に頼る
なんとか通したい稟議などあれば、上司に通してもらうようにお願いしましょう。
部内でこれを通していただかないと・・という話を十分に議論して、上司に経営層にうまく立ち居振舞っていただくようにお願いします。
部署からのお願いであれば、一生懸命対応してくれるのではないでしょうか。
それでも状況が改善しない場合の対処法
何をしても上司が変わらず、現場を理解せず、上司と部下の溝がある状態が変わらない場合は、別の手段を考える必要もあるでしょう。
会社組織では上司を異動させることは難しいことですし、ストレスを感じながら我慢の日々を過ごすことにも限界があります。
部署を異動する、転職をすることも視野に入れ、労働環境の改善をはかることになります。
現場改善を相談する
・評価面談等の場で直接上司に相談する
・人事に現場改善を相談する
・他部署の上司に相談する
異動を視野に入れた相談をする
・人事に異動願いを相談する
転職を視野に入れる
・転職エージェントに登録し、転職が自身にメリットがあるかの相談をする
この記事を書いた人



上司の課題は、働く環境の中でとてもウェイトの高い課題です
どういう付き合いをするのか、環境を変える判断をするのか、
いずれにしても難しい判断になります
☑ 子育て中に契約社員→正社員に転職したシングルマザー
☑ その後、平社員から取締役へ
☑ 総務・経理・人事など管理部門に強み
☑ 1,000人以上の管理部門採用の面接をおこなう
☑ 国家資格キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
さらに詳しい内容はコチラ → what’s SHIRO-MIKE