相手から本音で話してもらうためには信頼関係が築けていることが必須です。

ラポールの形成は、相手と心が通じ合い互いに相手を受けてれている状態をつくることを言います



一般的な信頼関係という言葉とは少し違うニャ
今回は、ラポールの形成をするために何をすれば良いのか、ラポールの形成が出来ているとどんな効果があるのかを説明します。
・コミュニケーションが上手く取れていない
・信頼関係を築く具体的な手法を知りたい
・チームの結束力を高めたい
ラポールを形成すると相手との関係性が良くなる場面


ビジネスの場面
部下との関係 | コミュニケーションが円滑になり、仕事の効率向上やモチベーションアップにつながります |
リーダーシップ | メンバーからの信頼を得やすくなり、指示がスムーズに受け入れられます また、メンバーも安心して意見を出せる環境を作ることができます |
営業や商談のシーン | 信頼が高まることで顧客が心を開いてくれることで、ニーズを引き出しやすくなり、成約率が高くなります |
カスタマーサポートのシーン | 問い合わせ時の対応次第で顧客が安心して相談出来て、問題もこじれず解決が円滑に進みます |
子育て・家庭での場面
親子関係 | 子どもが安心して親に悩みや気持ちを表現できるようになります |
夫婦関係 | お互いの気持ちを理解し合うことができるようになり、夫婦関係のトラブルや誤解が少なくなります |
教育での場面
生徒との関係 | 生徒が安心して質問できるようになり、学習意欲が高まり、教育効果が向上します |
コーチング | 指導等を前向きに受け入れるようになり、モチベーションが高まります |
その他の場面
地域活動 | 「この人と一緒に頑張りたい」という感じが高まり、協力体制を築きやすくなります |
イベント参加 | 初対面の人とも良い人間関係を築くきっかけを作ることが可能になります |
ラポールの形成によって期待される効果


信頼の向上
信頼されることで相手が心を開きやすくなり、本音で話してくれることが増えます
コミュニケーションの効率化
相手が意図している事を把握しやすくなり、早く理解することができます
関係の深化
深くて長期的で良好な関係性を築けるようになります
協力的な態度の促進
お互いに助け合える関係を築けるようになります



お互い理解し合い、相手の気持ちになって考えたり、行動できる関係性が作れるのですね
ラポールを形成する方法


具体的な方法について紹介します。ひとつだけでもまずは実践してみてください。
相手に対する関心と共感
ラポール形成の基本は、相手への真摯な関心と理解を示すことです。共感していることが相手に伝わり、自分のことを受け入れてくれていると感じられると、信頼する気持ちが生まれます。
共感していることを伝える方法例
• 相手の話を遮らず、最後まで聞く。
• 相手の感情や意見に対して「そうなんですね」「なるほど」と共感を示す。言葉にならなくても、うなづきなどでも伝わります。
. 傾聴スキル(アクティブリスニング)
傾聴とは相手の話に関心を持ち、相手の意図や感情を受容・共感の姿勢で聴く技法のことを言います。具体的な姿勢は次のとおりです。
相槌を打つ
「うん」「なるほど」など相槌を打つことで、話に同意している、聴いているということを態度で示します。
アイコンタクトを取る
アイコンタクトをすることで、自分の話を集中して聴いてくれていることを相手に伝える事ができます。
繰り返す
相手が言ったことをそのまま繰り返したり(オウム返し)、相手の言葉を繰り返して要約して返してあげる(例:「つまり、こういうことですね?」)と、ただ聴いているということだけではなく、話の内容を理解しているということが伝わります。
3. ミラーリング(姿勢や言葉の一致)
相手の仕草や話し方、言葉遣いに自然に寄せることで、心理的な親近感が生まれます。
姿勢や仕草
相手が身を乗り出して話しているなら、自分も少し前に体を傾ける。
言葉遣い
相手の使うキーワードや表現を取り入れる(例: 「楽しい」という言葉を多用する相手には、自分も「楽しい」を使う)。



過剰でただのマネされていると思われると、かえって不快に感じてしまうので加減には要注意ニャ
4. 信頼を築く(一貫性と誠実さ)
誠実で一貫性のある言動を心がけることで、相手に信頼されやすくなります。
約束を守る
小さな約束でも守ることで信頼が深まります。
偽りのない態度
その場を取り繕ったり、自分をよく見せようとすることはせずに、素直にありのままで誠実に接するようにします。
5. 相手の価値観や背景を尊重する
相手が大切にしている価値観や考え方を尊重し、その内容について興味を示すことで、安心感と信頼感を生むことができます。
6. ユーモアやポジティブな態度
適度にユーモアを交えて笑顔で接することは、相手の緊張を和らげたり、場を和ませることが出来るので、距離を縮めて話がしやすくなる環境作りに役立てることができます。
7. 共通点を見つける
共通点があると、人は親近感を抱きやすくなります。共通の趣味や経験、価値観を探しましょう。
難しい時は、まずは天気の話からでも良いです。
8. 適切なタイミングで自己開示をする
相手が心を開くためには、自分もある程度の自己開示をすることが効果的です。
自分の弱みや失敗談を共有すると、親近感が生まれることがあります。
9. 時間をかける
ラポールの形成はすぐに築けるものではありません。
時間と信頼の積み重ねが必要なので、焦らずに徐々に関係性を深めるようにしていきましょう。
10. 相手の気分や状況に敏感になる
相手が疲れている、機嫌が悪いなどの状況を察して、それに応じた対応を取ることが重要です。
例) 「元気がなさそうですが、大丈夫ですか?」
ノンバーバル(非言語コミュニケーション)の活用
ラポールの形成の方法を1から10にまとめましたが、相槌や、アイコンタクトは、言語以外で表現する手法でノンバーバル(非言語コミュニケーション)といいます。非言語コミュニケーションについては別の記事でまとめていますので、こちらも参考にご覧ください。
ラポールの語源





そもそもラポールって何ニャ?



最後にラポールの語源についてご説明しましょう
「ラポール(rapport)」という言葉は、フランス語の「rapport」に由来しています。「関係」や「調和」、「つながり」を意味します。
ラポールの語源は、ラテン語の “re-”(再び) と “portare”(運ぶ) を組み合わせたものです。これは、「相互に行き交う感覚」や「相手との繋がりのやり取り」を表現しています。
「ラポール」という概念は、主に心理学やカウンセリングの分野で使われるようになりました。19世紀、フランスの医師たち(特に催眠療法や精神医学に携わる人々)が、治療効果を高めるために患者との信頼関係を重視しこの言葉を用いました。特に、催眠療法では、患者がセラピストに心を開き、指示を受け入れやすい状態を「ラポールが形成されている」と表現しました。
現在では、心理学の枠を超えて、ビジネスや教育、医療、日常生活など、信頼関係や親密さを重視するあらゆる場面で「ラポール」という言葉が使われるようになりました。
この記事を書いた人



コミュニケーションすることに苦手意識を持っている人もいるかもしれませんが、テクニックを知り、実行してみることで変わっていくことも可能です。
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☑ 子育て中に契約社員→正社員に転職したシングルマザー
☑ その後、平社員から取締役へ
☑ 総務・経理・人事など管理部門に強み
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