仕事や人間関係でのストレスを抱えている人は多いと思います。
ストレスを抱えながら、ひたすら我慢して過ごしている人、自分はストレスなんて無いと思い込もうとしている人、眠れない日々を過ごしている人いませんか。
何とか乗り越えようと頑張っていても、ストレスを抱えている状況が継続し慢性化してしまうと、身体や精神的な影響が出てきてしまい、さらにつらい状況になってしまいます。
そのため早期に対処していくことが大切です。
今回はストレスの原因や改善方法、ストレスが発生する原因であるストレスホルモンについてをご紹介していきます。

ストレスは万病のもと
我慢しすぎないで欲しいニャ
ストレスを起こす理由はどんなものがあるのか


普段のどのような状況からストレスを引き起こしてしまうのか具体的にみてみましょう。
1. 会社環境によるストレス
仕事の量や質による業務負担
過剰な業務量 | 長時間労働や締め切りの厳しいプロジェクトなど、過剰な仕事の量によるもの |
不明確な期待値 | 上司や組織からの期待が曖昧で、自分の役割や目標が不明瞭なため、どうしたら評価されるのか、何をすればゴールなのかがわからない状況におかれたとき |
低い達成感 | 努力したのにかかわらず十分な評価が得られなかったり、成果が見える化していないため、あいまいな評価になっているとき |
職場環境や制度に問題があるとき
人員不足 | 部署の人手不足により個人への負担が増加し、改善の方向性が見られず疲弊する状況が続いているとき |
不適切な管理体制 | 上司からのマイクロマネジメントで仕事の自由度を奪われている、または不公平なリーダーシップが行なわれていると感じるとき |
柔軟性の欠如 | 仕事と子育てや介護を両立しているときで、リモートワークやフレックスタイム制度などの会社制度が充実おらず、仕事と生活の調整が難しい状況のとき |
キャリアや将来への不安
昇進や評価に関する不満 | 努力が正当に評価されなかったり、会社のキャリアステップの考え方が見えず、将来の不安を感じるとき |
経済的な不安 | 給料や賞与が期待を下回っていて、住宅ローンや生活費、教育費などの今後の支出に不安を感じているとき |
2. 人間関係によるストレス
同僚との摩擦
意見の衝突 | 仕事の進め方や価値観の違いにより対立してしまい、歩み寄りが難しいとき |
不公平な扱い | 一部の同僚がが優遇される状況で自分の不遇を感じるとき |
コミュニケーション不足 | 同僚とのコミュニケーションがうまくいっておらず、孤独感を感じるとき |
上司との関係
厳しい叱責や批判 | 建設的でないフィードバックを受けたり、過剰なプレッシャーを与えられる環境におかれているとき |
指導不足 | 上司のサポートが無く、業務状況を把握しようとせず仕事の方向性も示してくれないとき |
信頼関係 | 上司が意思疎通する機会を軽んじており、上司に対し不信感を感じているとき |
部下や後輩への責任
管理の負担 | 部下の教育やマネジメントに時間ばかり取られてしまい、業務過多になっているとき |
マネジメント | どうやってもうまくいかない特定の部下等からの上司だから当然だという態度や、会社への帰属意識が不足している部下の指導をせねばならないとき |
コミュニケーション不足 | 部下とのコミュニケーションがうまく図れず、信頼関係を築けることが出来ていないとき |
職場外の人間関係
家庭との両立 | 自分だけが仕事との両立で忙しく、家族のサポートを得られない、またはその大変な状況に対して理解を得られないとき |
家族関係 | 夫婦関係や親子関係がうまくいっておらず、家に帰っても安心感が得れない状況が続いているとき 別居や離婚をすることになり、周囲の人の反応への対応や、不慣れな数々の手続きを進めていかねばならないとき |
他者との比較 | 他社の成功と自分を比較して、劣等感を感じてしまうとき |
慢性的なストレスが続くことで発生する症状


本人が気づける可能性のある症状
心理的な影響
• どうせうまくいかないと考えてしまう
• 集中力や記憶力の低下
• 悪い結果ばかり考えてしまう
• 自分を責めてしまう
• 大切なことを考えることを避けてしまう
身体的な影響
• 睡眠障害(入眠困難や中途覚醒でぐっすり眠れない)
• 疲労感が続いている
• 元気が出ない
• 頭痛、肩こり、胃痛、腹痛などの身体症状が出ている
• 身体が重い、だるい



落ち着かなくてイライラする、絶望的に感じてしまう、何をしても楽しくない、憂鬱であるというのはストレスの症状のひとつです
そして、ストレスは疾患につながってしまうリスクがあります
疾患リスクの上昇例
・免疫力の低下
・体脂肪の増加(特に腹部)
・高血圧や心疾患のリスクが高まる
・筋肉の減少や骨密度の低下など
周囲の人が気づく症状
• 職場の人が気づく症状
・遅刻や早退が多くなる、突然休む
・とりとめのない訴えが増えてくる
・以前は出来ていた業務が出来なくなる、ミスが増える
・業務中にぼーっとしていることが増えてきた
・以前は感じなかったが、気分にムラがあるようになった
• 家族や友人が気づく症状
・怒りっぽくなる
・服装や身だしなみを気にしなくなる
・表情が乏しく、口数が減る
・自分の悪口を言われているという発言をするようになってきた
・好きだった趣味などをしなくなる



周囲にストレスでつらそうな人がいたら、本人がストレスに気づくように促してみてほしいニャ
次は、ストレスを感じているときに身体の中で何が起きているのかを説明します。
その前にストレスの解消法を見たいという方はコチラへどうぞ。
ストレスを感じた時に分泌されるストレスホルモンは本当は悪いものではない!?


ストレスホルモンはそもそも危機的状況を乗り越えるために働いてくれるもの
ストレスホルモンとはひとつだけではなく、体がストレスを感じたときに分泌されるホルモンの総称です。ストレスホルモンは、ストレスに適応し体が危機的状況を乗り越えるために働いてくれるもので、単に悪いものというわけではありません。
ただし、長期的にストレスホルモンの分泌が続くと、健康に悪影響を及ぼしてしまうことがあるため、その前に対処することが大切です。
主なストレスホルモン4種類
1. コルチゾール
ストレスホルモンの中で重要なホルモンのひとつで、とされ、体内でのエネルギー供給や免疫反応の調整など、さまざまな役割を果たします。適量であれば身体を守るために必要不可欠なホルモンですが、長期間ストレスが続くと慢性的に分泌が高まり、身体への悪影響が出ます。
役割 | ・血糖値を上げてエネルギーを供給 ・炎症を抑制し、体のダメージを最小限にする ・免疫機能を調整 ・血圧を上昇させ、体が迅速に動けるようにする |
2. アドレナリン
アドレナリンは急性ストレス時に短期間分泌されるホルモンです。
これらは心拍数や血圧を一時的に上げますが、短期的には問題がなく、ストレスが解消されれば正常値に戻ります。
ただし、慢性的にホルモンが過剰に分泌されると、心血管への負担が増え、高血圧や心疾患のリスクが高まる可能性があります。
役割 | ・心拍数と血圧を上昇させ、身体を「戦うか逃げるか」の状態にする ・即座にエネルギーを供給するように、糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーとして効率的に利用するよう働きかける ・急性のストレスに反応して分泌される |
3. ノルアドレナリン
ノルアドレナリンはアドレナリンと同様に急性ストレス時に短期間分泌されるホルモンで同じような働きをします。
役割 | ・アドレナリンと似た働きを持ち、血管を収縮させて血圧を上げる ・ストレス時に注意力を高める ・急激なストレスに対して短時間で作用し、身体を迅速に動ける状態にする |
4. バソプレッシン
バソプレッシンはストレス時に血圧を維持する働きをしますが、過剰になると循環器系に負担をかけます。ただし、バソプレッシンはコルチゾールほど多方面での悪影響を与えるわけではありません。
役割 | ・体内の水分と塩分のバランスを調整 ・ストレス時に血圧を上昇させる |
ストレスホルモンが分泌するながれ
1.ストレスを感知
体がストレスを感じると、脳の「視床下部」が「下垂体」や「副腎」に信号を送ります。
2.副腎の働き
副腎からコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。
3.体の変化
血圧上昇、心拍数増加、血糖値上昇など、体がストレスに対応するための準備が整います。
慢性的な過剰分泌が心身に大きな悪影響を及ぼすコルチゾール
ストレスホルモンを4種類紹介しましたが、その中で身体に大きな悪影響を及ぼすコルチゾールについて深堀して見ていきます。
コルチゾールはストレスが慢性的に続くと、身体全体に長期的な悪影響を及ぼしてしまいます。
特に代謝、免疫、脳機能、睡眠など、健康の基盤に影響します。
他のストレスホルモン(アドレナリンやノルアドレナリン)は、急性のストレスに対応するため短期的に分泌されることが主であり、通常は分泌が終われば身体は元に戻ります。
一方で、コルチゾールは慢性的に分泌されやすく、影響が長期にわたる可能性があります。
しかしながら、これらのホルモンは本来身体にとって必要な役割を果たしているため、過剰分泌さえ防げば悪影響を最小限に抑えられます。
そのためにはストレスを適切に管理し、生活習慣を整えることが最善策になります。
コルチゾールが過剰に分泌されると起きる可能性がある症状
慢性的なストレスは次のような健康への影響を引き起こすことがあります。
免疫力の低下 | 感染症や病気にかかりやすくなる |
体脂肪の増加 | 特に腹部に脂肪がつきやすくなる |
筋力の低下 | 筋力が低下する、疲れやすくなる |
骨密度の低下 | 骨粗しょう症のリスクが増加する |
脳(特に海馬)へのダメージ | 記憶力や集中力の低下する |
ストレス耐性の低下 | 不安感が増加する |
気分が不安定になる | 気分の浮き沈み、イライラする |
睡眠障害 | 通常夜間にストレスホルモンの分泌が低下するが、夜間分泌が低下しないことで入眠困難や中途覚醒いやすくなる |
疾患リスクの上昇 | 高血圧、糖尿病、消化器系疾患など |
コルチゾールが過剰分泌される原因
• 慢性的なストレス
長期間にわたる仕事や人間関係のストレスは、副腎を刺激し続け、コルチゾールが過剰分泌される原因になります。
• 睡眠不足
睡眠が不十分だと、体がストレス状態だと認識し、コルチゾールの分泌が増加します。
• 過剰なカフェイン摂取
コーヒーやエナジードリンクの摂取量が多いと、コルチゾールの分泌が促進される可能性があります。
• 不規則な生活習慣
食事や運動、睡眠が不規則だと、体内のホルモンバランスが崩れやすくなり、コルチゾールが増加します。
• 過度な運動
適度な運動はコルチゾールを減らしますが、過度な運動は逆にストレス反応を引き起こし、コルチゾールが上昇します。
ストレスホルモンをコントロールする方法


ストレスを軽減するための方法をいくつか紹介します。
生活習慣の見直し
バランスの取れた生活を心がけることで、ストレスホルモンの分泌をコントロールすることができます。
規則正しい睡眠 | ・睡眠時間を7~8時間確保するよう心がける ・就寝前のブルーライトを避け、リラックスした状態で眠る ・毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計を整える |
適度な運動 | ・ウォーキングやヨガ、軽いジョギングなど、リラックス効果のある運動を週に3~5回行う ・過度な運動は逆効果になるため、適度な負荷を意識する |
食事 | ・カフェインの摂取量を抑える ・血糖値を安定させる食品を選ぶ ・抗酸化食品を積極的に摂取する (ビタミンCやポリフェノールを摂ることで、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があります) |
リラクゼーションの機会を取り入れる
リラクゼーションの機会を積極的に取り入れることで副交感神経が優位になり、リラックス効果が得られます。
副交感神経の働きについて
身体や心が休息しているときに優位に働く自律神経で、血圧や心拍数を下げたり、発汗をおさえたり、体を回復させる働きがあります
•深呼吸(腹式呼吸)をおこなう
• 温かいお風呂にゆっくり入る
• 好きな音楽を聴きゆっくりした時間を作る
• 自然の中で過ごす機会をつくる
ひとりで悩まず相談する
身近な家族、同僚、上司に相談する。
悩んでいることを周囲に知られたくない場合は、次のような相談先に相談することが出来ます。
出来るだけひとりで悩まず、相談するようにしましょう。
会社の悩み
産業医・保健師 | 残業時間過多、体調不良に関する相談の申し出が可能です |
福利厚生の活用 | 会社によっては外部カウンセリング会社との契約がある場合があり、無料で受ける事ができます |
転職エージェント | 具体的な転職まで検討していなくても、仕事や自分の市場価値などの相談や、他社の情報収集ができます |
全般の悩み
こころの耳 | 厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」を参考にする こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト |
専門家の活用 | 弁護士や外部カウンセリング機関への相談 |
病院への受診 | 特に体調不良など症状があらわれている場合は受診するようにしましょう |
この記事を書いた人



今回は、悪い事が続いて気持ちがヘコんでいる時の解消方法についてまとめました。
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☑ 子育て中に契約社員→正社員に転職したシングルマザー
☑ その後、平社員から取締役へ
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